日常的に使ってる日本語だが
本来の意味とは違う意味で使われる言葉も多い
- 役不足
- 姑息
- すべからく
等は誤用の代名詞的存在として
しばしばSNSやネット上で誰かが使われる度に
「それ誤用だよ」と指摘する人が出てくるまでが
様式美みたいな感じになっている
しかし本来の意味とは違う誤用だからと言って
それが不正解とは限らない
寧ろ誤用表現も正解という話をしようと思う
誤用されやすい言葉と本来の意味一覧
まず、誤用されやすい言葉の例を
いくつか例に出してみよう
読みが変わった例
独壇場(どくだんじょう)という言葉は誤用で
正確には独擅場(どくせんじょう)だった
しかし現代では独壇場の方が広く使われており
NHK放送文化研究所の解説ページでも
独壇場という言葉を使用している
意味が変わった例
■役不足
| 本来の意味 | 自分の力量に対して 役が不足している (自分>役) |
| 変化した意味 | 役に対して 自分の力量が不足している (役>自分) |
■姑息な
| 本来の意味 | その場しのぎの |
| 変化した意味 | 卑怯な |
■すべからく
| 本来の意味 | 是非とも~しなければならない |
| 変化した意味 | すべて、例外なく |
■煮詰まる
| 本来の意味 | 検討が進み 結論が出る状態になって行く |
| 変化した意味 | 行き詰まる |
■失笑
| 本来の意味 | こらえきれずに笑う |
| 変化した意味 | 冷笑、笑いが取れない状態 |
■爆笑
| 本来の意味 | 大勢の人が同時に笑う |
| 変化した意味 | 大笑いする |
■性癖
| 本来の意味 | 人の癖、言動の傾向 |
| 変化した意味 | 性的嗜好 |
■元旦
| 本来の意味 | 1月1日の朝 |
| 変化した意味 | 1月1日 |
■血税
| 本来の意味 | 兵役義務 |
| 変化した意味 | 国民が頑張って働いて払った 安くない税金 |
■穿った見方
| 本来の意味 | 本質をついた見方 |
| 変化した意味 | ひねくれた見方 |
■潮時
| 本来の意味 | ちょうどよい時期 |
| 変化した意味 | これ以上続けても見込みが無い時期 |
■(話の)さわり
| 本来の意味 | 話の要点 |
| 変化した意味 | 話の序盤 |
■課金
| 本来の意味 | 利用料金を徴収する |
| 変化した意味 | 利用料金を支払う |
■御の字
| 本来の意味 | 非常にありがたい |
| 変化した意味 | ギリギリ納得できるライン |
■他力本願
| 本来の意味 | 自らの修行によってではなく 仏の力によって救われようとする |
| 変化した意味 | 自分で努力ではなく 他人の助けに頼っている |
■琴線に触れる
| 本来の意味 | 感動する |
| 変化した意味 | 怒りを買う |
■辛党
| 本来の意味 | 酒好き |
| 変化した意味 | 辛い食べ物が好き |
■乱入する
| 本来の意味 | 大勢で一気に押し入る |
| 変化した意味 | 関係のない人が途中から割り込む |
■鳥肌が立つ
| 本来の意味 | 恐怖でぞっとする 寒気でぞっとする |
| 変化した意味 | 感動する |
■浮足立つ
| 本来の意味 | 浮かれて落ち着かなくない |
| 変化した意味 | 不安で落ち着かなくない |
■Nice
| 本来の意味 | 無知 |
| 変化した意味 | 魅力のある |
■Cute
| 本来の意味 | 賢い |
| 変化した意味 | 可愛い |
普通に考えて
これらの言葉を全て正確に使えてる人は
この世に1%も居ないと思うんだよね
寧ろ広く知れ渡っている
誤用された意味で言葉を使った方が
コミュニケーションが取りやすい場合すらある
言葉は変化する、誤用も間違いではない
上記で取り上げた誤用されやすい言葉を
誤用表現で使った場合
「誤用指摘おじさん」が沸いてくる事がある
しかし
誤用された言葉が間違っているとは言えない
言葉とは変化するものであり
言語の意味は一定では無いからだ
国が定めた辞書等があるわけではなく
文化庁ではどの意味も正しい、
誤りという見解は示していない
同調査内での“本来の意味”は、
「辞書等で主に本来の意味とされるもの」を指す
毎年調査結果が発表されるたびに
「誤用」の報道がなされるが
同庁ではあくまで
意味の認識の違いがあると伝えているだけで
どの意味も「誤用」とは捉えていない『文化審議会国語分科会』の報告では
「そもそも、言葉は変化するものであり、
地域や共同体によっても
通用する言葉や言葉遣いが異なる場合もある
同じ意味を伝える表現が複数あるなど、
正解は一つとは限らない。」とし、
自分自身が正しいと受け止める意味を基準とし、
それ以外の使われ方を誤りとみなすことで、
コミュニケーションに障害が生まれることに
警鐘を鳴らしている
特にネット上の誤用指摘おじさんは
「すべからく」の意味にだけやたら厳しい人が多く
すべからくの誤用を見かけると
鬼の首を取ったかのように指摘してくる
『すべからく警察』なるものも存在する
「正しい日本語を教えてやってるんだ!」
「感謝しろよバカが!」
みたいなマウント取ってくる
誤用指摘おじさんは
コミュニケーション障害である可能性が高い
しかもそんな誤用指摘おじさんも
他の言葉を誤用せずに使えているわけではない
多くの誤用指摘おじさんもまた
何らかの言葉を無意識に誤用している
以前、すべからく警察に遭遇した時に
別の誤用表現で話してみたところ
その誤用について指摘されることが無かった
結局は自分が知ってる知識を振りかざしたい
ガキみたいな精神性で誤用を指摘してるに過ぎない
会話を遮ってまで誤用指摘するのは
言葉本来の目的である
コミュニケーションを疎かにする無能の行動だ
正しい日本語は
複数の辞書で上位に挙げられているもので、
現時点での“正しい日本語”に過ぎないのです
例えば
『あからさまに(明らかに。あらわに)』は、
古典では“仮に。ついちょっと”
あと『明日(翌日)』は、
本来は“朝、翌朝”を指すのです。
古典に合わせるとこれらの今の使い方も間違っている
つまり時代によって、日本語は変化。
言葉は古より変化しながら生きているのです」
言葉は生き物
言葉は複数の意味を持つものだし
時代や地域で変化していくものだ
誤用された言葉もまた正しい意味となる
まとめ
「この意味だけが正しい」という態度は
そもそも言葉というものを理解してない
古文と現代文が違うように
方言と標準語が違うように
コロコロと意味や読みが変化するのが言語
言葉は不変ではない
言葉は変わりゆくものだ
言葉とはコミュニケーションを取るツールなので
誤用指摘や正解クイズ、知識マウントに使うのは
言葉というツールを誤用しているとも言える
