ニコニコがYoutubeに勝てなかった理由を徹底解説【ドワンゴ川上量生】

かつて動画サイトや生配信サイトと言えば
Youtubeよりニコニコ動画
そんな時代が日本にはあった

ニコニコについて、Youtubeに一時期勝っていたのに現在の一強体制を許してしまったことについて勝ち筋がなかったと先日呟いたけど、まあ、そんな単純に説明できる話ではない。やっぱり、いろいろ後悔はあるし、結局のところは、ぼくの責任だとやっぱり思った。

— かわんご (@gweoipfsd) April 4, 2023

ドワンゴ川上量生の主張を
軽く内容をまとめてみると

んー、ズレてるなぁ…

仮にニコニコのサーバーが強化されても
Youtubeに負ける未来は変わらなかったと思うし
川上氏は本質を理解してないと思う

ニコニコ動画の面白さ

ニコニコオワコン論を語るだけだと寂しいので
まず、軽くニコニコの面白さを語っておきたい

閉じたコンテンツ特有の身内感

Youtubeは世界が広すぎる
一方のニコニコは閉じたコンテンツだった

例えるならYoutubeは地球であり
ニコニコ動画は大学みたいなもんだった

ゲーム・アニメ・エンタメ・日記…
色々なカテゴリは学部といった感じだ

普段は自分が興味のある
カテゴリの動画を見るが
時々カテゴリの枠を超えて
ニコニコ全体で盛り上がる動画が出てくる

組曲ニコニコ動画だったり
Bad Appleだったり

ニコニコ内の共通言語的な動画があるので
ユーザー間で盛り上がりやすかった

何故ニコニコが衰退したのか
（オワコン化の理由）

有料と無料

ニコニコ動画は月額500円の
プレミアム会員というシステムがあった

ニコニコ生放送をするには
毎月500円払わなきゃいけなかったし

動画を100本以上投稿するにも
毎月500円払わなきゃ行けなかった

Youtubeでは
無料で生放送できるし
無料で動画を何本でも投稿できる

どっちが多くのユーザーを集めるかっつったら
そりゃ無料で質も上なYoutubeでしょってなる

公式放送・大会議・超会議で
一部の投稿者を贔屓しすぎた

ニコニコ動画の良い所は
相互発信型メディアというところで
これは当時Web2.0的な目新しさがあった

ニコニコユーザー全てが
投稿者でありえるし
見る側としてもコメントで
動画を面白くする参加者であった

これがニコニコの楽しさであり
多くニコ厨が生まれた理由でもある

しかし

ニコニコ大会議（超会議の前身）や
ニコ生の公式放送が始まると
雰囲気が一変することになる

ニコニコの運営が
リアルイベントや公式放送に
人気投稿者を起用していった

そうなると
相互発信型メディアだったニコニコは
発信する側・される側に
明確に分かれていくことになる

大会議・超会議・公式放送に出る投稿者は
更なる知名度を得るので
次の動画がランキングに乗りやすくなる

するとランキングは
大会議や超会議や公式に出る人が
独占しやすくなった

いつしかランキングは
見知らぬ謎の人を発掘する場所ではなく
いつものあの人を見る場所になっていた

短期的な視点で見れば
この状態は成功だったと思う

実際、この状態だった2010年くらいは
ニコニコが一番盛り上がってた時代だからだ

しかしその時代にこそ
ニコニコが衰退した原因でもある

ニコニコの運営が特定の投稿者を起用し
特定の投稿者が知名度を得ると…

他のサイトに行っても
成立するくらいの知名度を得た投稿者は
ニコニコに拘る必要がなくなってしまった

これが終わりの始まりだった

運営とクリエイターの関係

Youtubeにも
Youtubeファンフェスというのが年1回ある

しかし

Youtubeの視聴者からしたら
一大イベントでもないし
Youtube側もトップページにデカデカと
ファンフェスの内容を表示しない

大半のYoutube視聴者にとって
ファンフェスなどあってないようなものだし
Youtube側がファンフェスのサムネイルを
全てのユーザーにデカデカと表示させたりしない

しかしニコニコの場合は
トップページに超会議の宣伝バーン！
ニコ生のトップページに公式放送がドーン！と起く一方
一般ユーザーの放送のページは目立たない追いやった

ニコ生を使っていたユーザーなら
誰しもが公式放送のタイトルやサムネイルを見るし
超会議などの存在も嫌でも知ることになるくらい
目立つ位置に表示させていた

イベントに出る投稿者＞それ以外の投稿者

ニコニコの運営はこういう差をつけて
公式放送やイベント参加者を
視聴者に見られやすい一に表示させていた

Youtubeはそういう事をせずに
見る側に適応されたコンテンツを
機械的なアルゴリズムで表示させた

迷惑系の排除の有無（BAN)

ニコニコにもYoutubeにも規約があり
それを違反するとBANになり
悪質な場合は永久BANになる

超悪質なクリエイターは
二度とそのサイトで活動できなくなる仕組みがある

だがコレについても
ニコニコはYoutubeに劣っていた

ニコニコ…特にニコ生には
四癌（石川典行・渋谷のキング・画伯・コレコレ）という
迷惑系の配信で知名度を上げた存在がいた

四癌以外にも暗黒放送など
BAN常連の生主が活躍していた

もちろん規約違反でBANになるが
永久BANとは名ばかりで
ちょくちょくBAN解除などされて
迷惑系配信者が長時間存在が許されていた

一方のYoutubeは
へずまりゅう・遠藤チャンネル等
永久BANになるとマジでBANになり
復活が許されることがない徹底さがあった

クリ奨はYoutubeより稼げないし面倒くさい

ニコニコにも
クリエイター奨励プログラムという
お金を稼ぐ仕組みが合ったが
システムが面倒くさい上に
支払いが2ヶ月度とかだったり不便だったし
何よりもYoutubeより稼げる額が少なかった

ヒカキンの台頭で
Youtubeが稼げるようになる事が広まると
ニコニコの有名人が徐々に流出し始めた

歌い手とかゲーム実況者とかボカロPとかは
ニコニコの超会議やら公式放送に出ることで
ニコニコの中で盤石な地位を築き
ランキング常連になっていく

ランキング常連になることで
そのクリエイターの知名度や影響力が上がり
どのサイトで活動しても
着いてくるファンができる状態になった

運営が特定のクリエイターに
外でも通用する力を与えすぎたが為に
外部サイトに流出されやすくなった

結局は金を稼げないから負けた

ニコニコで稼ぐには

…という方法があった

しかし公式放送やイベントは
一部の投稿者にしかできないし
有料チャンネルも毎月お金を払う
熱心な信者が大量に居ないと稼げなかったし
クリ奨も規模がショボかった

それに対して、
Youtubeの仕組みは稼ぎやすい

運営に呼ばれなくても
毎月金を払ってくれる濃い信者が少なくても
動画さえ見てもらえれば収入になる

ニコニコで既にファンを抱えていた投稿者は
徐々にニコニコからYoutubeに活動の場を移した
月額500円すら払う必要もない

ログインせずに動画を見れるし
視聴者の総数も圧倒的にYoutubeの方が多い

「お金のためにやってんのか！」

というありきたりな批判もあるだろうが
お金を稼げるのと稼げないなら
稼げる方を選ぶのが資本主義社会の民として
当然の選択だと思うし
人がそっちに流れるのは当たり前の話しだ

まとめ

プレミアム会員とかいう
月500円払ってできることが
Youtubeでは無料でできるので
大半の人はニコニコに居座る理由はなかった

ニコニコ公式が贔屓した投稿者は
ニコニコ外でやっていける影響力をつけたので
Youtubeの方が稼げると知った時
彼らは容易にYoutubeに移動できた

面白い配信者が居なくなったニコニコは
どんどんオワコンになっていった